背中ニキビは、背中の皮膚に現れる皮膚疾患のひとつで、皮脂腺が過剰に皮脂を分泌し、背中で分泌された皮脂が毛穴を塞いでしまうことで発生します。
背中の皮膚の表面に黒ずみのようなニキビや、白いブツブツしたニキビが現れ、状態によっては炎症を引き起こすこともあります。
背中ニキビができる原因や、背中ニキビの治し方、背中ニキビの予防法や皮膚科での治療方法と薬についてわかりやすく解説します。
背中ニキビとは
背中ニキビは、背中の皮膚に現れる皮膚疾患のひとつで、皮脂腺が過剰に皮脂を分泌し、背中で分泌された皮脂が毛穴を塞いでしまうことで発生します。
背中の皮膚の表面に黒ずみのようなニキビや、白いブツブツしたニキビが現れ、状態によっては炎症を引き起こすこともあります。
背中ニキビができる原因
背中ニキビができる主な原因を説明します。皮脂腺の多さ、汗、洗い残し、ぴったりとしたタイトな服装による摩擦や、内臓の不調などのニキビの原因について確認してみましょう。
- 皮脂腺が多く存在する
- 汗で毛穴が塞がる
- 汚れや洗い残しがある
- 服装による摩擦が生じている
- 内臓に不調が生じている
皮脂腺が多く存在する
背中には皮脂腺が多く存在します。背中の皮脂腺が過剰に皮脂を分泌すると、毛穴が詰まり、背中ニキビが発生する原因になります。
皮脂腺が活発に皮脂を分泌するのは、ホルモンバランスや遺伝的な要素によるもので、背中ニキビは特に思春期の人に多く見られます。
汗で毛穴が塞がる
運動や暑い気候により、背中が汗ばむと、その汗が皮脂と混ざり合い、毛穴を塞ぐことがあり、背中ニキビの原因になります。
特に夏場は湿気もあり、なかなか汗が引かないので背中ニキビになりやすいと言われています。
汚れや洗い残しがある
シャワーや入浴後、背中の皮脂や汗を十分に洗い落とさないと、残った汚れが毛穴を詰まらせ、背中ニキビを引き起こす原因になります。
また、シャワーの後にタオルで強くこすると、皮膚を刺激してしまい、皮脂腺の過剰な皮脂分泌を引き起こしてしまうので注意しましょう。
服装による摩擦が生じている
ぴったりとした体のラインに沿ったタイトな服を着ると、皮膚と衣類との間に摩擦が生じます。摩擦により皮膚が刺激され、皮脂腺が過剰に皮脂を分泌するため、背中ニキビができる原因になります。
特に、合成繊維の服は通気性が悪く、汗を吸収しにくいため、皮脂と混ざりやすく、背中ニキビの原因になりやすいです。
内臓に不調が生じている
内臓の不調も背中ニキビの原因のひとつです。胃腸の調子が悪いと、体内の毒素がうまく排出されず、皮膚に影響を及ぼすことがあります。
特に、食生活の乱れやストレスが原因で内臓に負担がかかると、ニキビができやすくなります。
(参考)日本香粧品学会誌「ニキビの発症メカニズム、治療、予防」
背中ニキビの予防法
背中ニキビの予防法として、シャワーでしっかりと洗うこと、汗をこまめに拭き取ること、肌に負担をかけない服装を選ぶことなどがあげられます。
- シャワーでしっかりと洗う
- 汗をこまめに拭き取る
- 肌に負担をかけない服装を選ぶ
シャワーでしっかりと洗う
背中ニキビの予防には清潔な肌を保つことが重要です。シャワーで背中を洗う際は、泡立てネットを使って優しく洗うと良いでしょう。
強くこすりすぎると肌を刺激し、逆に背中ニキビを悪化させる可能性があります。
汗をこまめに拭き取る
汗をそのままにしておくと、皮脂と混ざり合い毛穴を詰まらせるため、背中ニキビの原因となります。
特に運動した後や暑い日は、汗腺の活動が活発になるため、こまめに汗を拭き取ることを心掛けましょう。
肌に負担をかけない服装を選ぶ
タイトな服や合成繊維の服は皮膚を刺激し、汗を吸収しにくいため、背中ニキビの原因となります。
肌にやさしい綿などの自然素材の服を選び、肌がしっかり呼吸できるようにしましょう。
背中ニキビの治し方
自宅でセルフケアできる背中ニキビの治し方について確認してみましょう。
- スキンケアをする
- 生活習慣を見直す
- 市販薬を使用する
スキンケアをする
ニキビケア専用のボディソープや化粧水は、肌を清潔に保ち、ニキビの発生を抑えるのに役立ちます。
また、保湿成分を含むものは肌のバリア機能を強化し、ニキビの発生を防ぐことができます。ただし、肌に合わない商品を使用すると逆に肌トラブルを引き起こすことがあるので注意しましょう。
生活習慣を見直す
食生活や睡眠、ストレスなどの生活習慣も背中ニキビの発生に影響を与えます。バランスの良い食事、十分な睡眠、ストレスの管理を心掛けることで、ニキビの予防につながります。
また、布団やタオルなど、日常生活で直接肌に触れるものは常に清潔に保つようにしましょう。
市販薬を使用する
ニキビ治療用の市販薬は、一般的にサリチル酸やベンゾイルパーオキシドといった成分を含んでいます。
サリチル酸やベンゾイルパーオキシドなどの成分は、皮脂の過剰な分泌を抑え、毛穴の詰まりを解消することでニキビを治療します。
ただし、肌が敏感な人にとっては刺激が強すぎる場合があるので、症状によっては使用を控えましょう。
市販薬でおすすめの内服薬
市販薬でおすすめの内服薬について確認してみましょう。
- チョコラBBプラス
- ハイチオールBクリア
- マスチゲンBBゼリー錠
チョコラBBプラス
活性型ビタミンB2が細胞の新陳代謝を促し、皮膚・粘膜の症状に働きかけます。
(参考)エーザイ「チョコラBBプラス」
ハイチオールBクリア
肌の代謝を助けるアミノ酸のL-システインとビタミンB2、ビタミンCなどを配合しています。
(参考)エスエス製薬「ハイチオールBクリア」
マスチゲンBBゼリー錠
ビタミンB2、B6、C、ニコチン酸アミドを配合している、グレープフルーツ味のゼリー錠です。
(参考)日本臓器製薬「マスチゲンBBゼリー錠」
市販薬でおすすめの外用薬
市販薬でおすすめの外用薬について確認してみましょう。
- セナキュア
- ペアアクネクリームW
- アポスティークリーム
- マキロンアクネージュメディカルクリーム
- メンソレータムアクネス25メディカルミストb
セナキュア
アラントインが赤みや炎症を抑え、サリチル酸が角質を軟化させて毛穴詰まりにアプローチします。
(参考)小林製薬株式会社「セナキュア」
ペアアクネクリームW
イブプロフェンピコノールとイソプロピルメチルフェノールが炎症を抑え、アクネ菌を殺菌します。
(参考)ライオン株式会社「ペアアクネクリームW」
アポスティークリーム
イブプロフェンピコノールを配合していて、血行を促進するビタミンE酢酸エステルが含まれています。
(参考)ゼリア新薬「アポスティークリーム」
マキロンアクネージュメディカルクリーム
ベンゼトニウム塩化物、イブプロフェンピコノール、トコフェロール酢酸エステルを含むトリプル処方のクリームです。
(参考)第一三共ヘルスケア「マキロンアクネージュメディカルクリーム」
メンソレータムアクネス25メディカルミストb
逆さまにしても使えるミストタイプで、殺菌、抗炎症、角質軟化作用があります。
(参考)ロート製薬「メンソレータムアクネス25メディカルミストb」
皮膚科で背中ニキビを治療する方法
皮膚科で背中ニキビを治療する方法について確認してみましょう。
- 薬物療法
- レーザー治療
薬物療法
薬物療法では、薬の効能で皮脂の生成を抑制し、細菌の増殖を防ぎ、炎症を和らげることで背中ニキビを治療します。
ニキビの状態や重症度に応じて、医師が塗り薬や飲み薬を処方します。
背中ニキビの内服薬
主な背中ニキビの内服薬について確認してみましょう。
- ドキシサイクリン
- ミノサイクリン
- ロキシスロマイシン
- イソトレチノイン
ドキシサイクリン
抗生物質で、アクネ菌の増殖を抑えます。副作用として、胃腸障害や光過敏症が報告されています。
ミノサイクリン
抗生物質で、炎症性ニキビの治療に使用されます。副作用として、めまいや頭痛、色素沈着が報告されています。
ロキシスロマイシン
抗生物質で、アクネ菌のタンパク質合成を妨げる作用があります。副作用として、胃腸障害や肝機能障害が報告されています。
イソトレチノイン
ビタミンAの誘導体で、皮脂の分泌を抑え、アクネ菌に対する抗菌作用があります。副作用として、乾燥肌や唇の乾燥、肝機能障害が報告されています。
▼「イソトレチノイン」についてさらに詳しく
イソトレチノインとは?効果と副作用や飲み方と注意事項や料金について解説
背中ニキビの外用薬
主な背中ニキビの外用薬について確認してみましょう。
- ベピオゲル
- ディフェリンゲル
- エピデュオゲル
- デュアック配合ゲル
- ゼビアックスローション
- アクアチムクリーム
- ダラシンTゲル
ベピオゲル
過酸化ベンゾイルを主成分とし、ニキビ菌を殺菌し、角質を剥がす作用があります。副作用として、皮膚の乾燥や赤みが報告されています。
ディフェリンゲル
アダパレンを主成分とし、皮膚のターンオーバーを正常化し、ニキビの発生を抑えます。副作用として、皮膚の乾燥や赤みが報告されています。
エピデュオゲル
アダパレンと過酸化ベンゾイルの組み合わせで、ニキビ菌を殺菌し、皮膚のターンオーバーを正常化します。副作用として、皮膚の乾燥や赤みが報告されています。
デュアック配合ゲル
過酸化ベンゾイルとクリンダマイシンの組み合わせで、ニキビの炎症を抑えます。副作用として、皮膚の乾燥や赤みが報告されています。
ゼビアックスローション
オゼノキサシンを主成分とする抗菌薬で、ニキビ菌を殺菌します。副作用として、皮膚の乾燥や赤みが報告されています。
アクアチムクリーム
ナジフロキサシンを主成分とする抗菌薬で、ニキビ菌を殺菌します。副作用として、皮膚の乾燥や赤みが報告されています。
ダラシンTゲル
クリンダマイシンを主成分とする抗菌薬で、ニキビ菌を殺菌します。副作用として、皮膚の乾燥や赤みが報告されています。
レーザー治療
レーザー治療は、皮膚の深部にある皮脂腺に直接作用し、皮脂の生成を抑えることで背中ニキビを治療します。
また、レーザーは皮膚の再生を促し、背中にできたニキビ跡の改善にも効果的です。
背中ニキビに関するよくある質問
-
Q背中ニキビは何が足りないとできてしまいますか?
-
A
背中ニキビができる原因はさまざまですが、一般的には皮脂の過剰分泌や毛穴の詰まり、ホルモンバランスの乱れなどが挙げられます。
背中ニキビは、適切なスキンケアや生活習慣の改善、栄養バランスの良い食事などで改善することができます。特に、ビタミンAやビタミンC、亜鉛などの栄養素が皮膚の健康に重要で、必要な栄養素が不足すると背中ニキビができやすくなることがあります。
-
Q背中のポツポツはカビですか?
-
A
背中のポツポツがカビである可能性は低いです。カビは湿度が高く、暗い場所を好むため、人間の皮膚上ではなかなか生息できません。
背中のポツポツが気になる場合は、ニキビや毛穴の詰まり、あるいは皮膚の乾燥などが原因である可能性が高いです。自己判断せずに皮膚科医に相談することをおすすめします。
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